今回は、意外と気が付いていないことのひとつで、「コミュニケーションにはコストがある」ということについて考えてみます。
思ったより遥かに伝わらない
一般的に、コミュニケーションは難しいと云われます。それはどういう事かというと、ひと言でいうと「こちらが思っているより遥かに伝わらない」ということです。
ゴールは「相手が行動を起こす」こと
ひと口にコミュニケーションと言ってもいろいろですが、ビジネスにおけるマネージャーとメンバー間では、「相手が理解し」、「納得して」、「行動を起こす」、ということが主なゴールになります。このレベルで考えると「なかなか難しい」という実感ですよね。
伝わらない理由
これは以前にも紹介したことですが、本か何かで読んで分かりやすかったのでもう一度紹介しておきます。「伝わる」までには多くのハードルがあるということです。
・こちらが言ったとしても聞いてもらえた訳ではない
・聞いて貰えたからといっても理解してもらえた訳ではない
・理解して貰えたからといっても賛成してもらえた訳ではない
・賛成してもらえたからといって腑に落ち納得して行動しようと思ってもらえた訳ではない
・行動しようと思ってもらったからといって実際に行動するとは限らない
ということで、改めて確かにそうだなと思います。
コミュニケーションには「コストがある!」
メンバーとのコミュニケーションが不十分な状態で物事を進めようとすると必ず起きることは、
・実行のスタートが遅れる
・実行中のスピードが遅い
・成果の着地が低い
肚落ち感が無いままの見切り発車すると、メンバーも仕事なのでやるにはやるがハッキリ言って「楽しくない」ので結果として高い成果は結びつかないことになります。
マネージャーは、それが分かっているので、コミュニケーションをしっかり取り、納得性を高めなくてはならないため、様々な余分な動きをしなければならなくなります。
例えば、
・何度もミーティングをおこなう
・何度も飲みにいって話をする
・何度もメールで鼓舞する
・泊まりがけで説明に行く
気づけば1週間、1ヶ月はあっという間に経過している。
移動のコスト、飲み代のコストに始まり、マネージャーの時給は高いだけに、ミーティングを行えば1時間、飲みにいけば数時間、メールを打つのも数分、泊まりがげで移動すれば数十時間、それらを全て合わせれば膨大な金額になります。それがひとつのアクションならいざ知らず、同時に5つのアクションをチームで取る必要があれば大変なことになります。
更にそれだけに留まりません。それだけの時間を使うと言うことは、本来ならとっくに済んでいるはずの他の仕事にしわ寄せが全ていっているのです。
VISION、戦略への共有・共感が大事
会社は軍隊と違い指揮官が言えば人が動くという訳にはいきません。しかし、日頃からチームのVISIONや勝ち筋の見える戦略をメンバーと共有できていれば納得は「秒」で得られますし、直ぐに動き始めることができます。目に見えないこの違いが業績に与える影響は「決定的」です。
まとめ
・コミュニケーションには以外と気付いていない目に見えにくいコストがある
・それはマネージャーにとってストレスであり、何より始めの一歩とスピードが遅くなる(致命的)
・そのために、メンバーとはVISIONや勝ち筋の見える戦略の共有をしつこいくらいしておくこと
・最後に、そのことを忘れないこと
エクセレントマネジメントワークス 原田 貴之