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1/100人のマネージングリーダーになる The Excellent Managerコラム

2020.3.17

マネージャーの最大の仕事=人材育成 は正しいか?

ピープルマネージャー10人に、最も重要な仕事はなんですか?と聞いたらほぼ全員が「人材育成」と答えるでしょう。
それほど誰もが認識していることですが、実情としてはメンバーの成長・育成には中々苦労されていることが多いようです。
ということで、今回は「人材育成」について考えてみます。

なぜ「人材育成」が大事なのか?
これは結構単純明快です。
10人のチームで20%能力向上し、士気が高ければ、12名の人を10人の人件費で雇える、逆に80%しか発揮させられなければ8名の人を10人の人件費をかけて雇うことになる、これが「100人だったら?」「1000人だったら?」という話です。
さらに、それが何十年も続くのですから、その差たるや「業績に決定的な影響を及ぼさないはずが無い」ということです。

しかし、理屈とは裏腹に現実は、
これが中々思うようにいかないのが世の中の難しいところで、マネージャーの皆さんは、最もやるべきことである「人材育成」以外の仕事に、多くの時間を取られているということなります。
では、どうして最もやるべき「人材育成」以外の仕事に奔走されているのか?一番大きな理由は、会社に対してコミットした直近の「業績目標を達成する」ために、現場での戦力のひとりとして機能しなければならないからです。
私はそれ自体は問題ないと思います。マネージャーが、目の前の業績目標に未達リスクを感じているのであれば、自らが動いてでも業績を上げる場面は必ずありますから当然それはやるべきです。但し、それが当たり前になってしまうことは避けなければなりません。なぜなら会社のビジネス成長に合わせて年々業績目標も上がっていくからです。そもそもマネージャーひとりが必死で作る業績には限界がありますので直に追いつかなくなります。
そこで必要になってくるのは、10人のチームメンバーが20%能力を上げて叩き出す12人分のパフォーマンスです。ということで、やはり「人材育成」が鍵になってきます。

そんなことは分かっているが一体どうやって?
ひと言で「人材育成」といっても何をするのか?と聞かれてもパッと思いつきませんよね、私もそうです。あまりにも言葉が漠然とし過ぎているからです。
しかし、「メンバーの成長をサポートする」というと少し現実味が出てきます。そのあたりから切り込んでみたいと思います。
私の経験では、メンバーが良い状態=エンゲージメントが高い状態であり、チームが良い状態=組織エンゲージメントが高い状態であれば、チームとしてのパフォーマンスは必ず上がっていきます。なぜなら、エンゲージメントが高いということは、自らの意思で全速力で走っている状態であり且つ颯爽と走っている自分に心地よさを感じている状態であるからです。エンゲージメントが高く維持されていれば、そのメンバーは自発的に仕事に必要な様々なスキルや知識を身につけたくなって勉強も練習も実践もしながら身につけていきます。チームにおいても知の伝播が起き易く更にチームの総合力は増していくのです。もちろん、マネージャー自らメンバーに仕事上必要なことを教えるでしょうからそれも全てプラスに作用します。
そのことは正に、「メンバーが成長している」ということです。つまりエンゲージメントを高め続けることで必然的に「人材育成」が上手くいくのです。
あと、大事なことなので今一度押さえておきますと、マネージャー自身が必死になって業績を上げることは時としてありますが、それはマネージャーの最も大事な仕事(人材育成)をするための短期的な時間稼ぎだということを忘れずに、まかり間違っても自らが業績を上げることこそがマネージャーとしての仕事を全うしていると満足しないようにしなければなりません。その事だけは忘れないようにして欲しいと思います。

「人材育成」の評価はどのように?
これは中々難しい話です。確かに「人材育成」は重要だが、何を持ってそれが上手くいっているのか?いないのか?どう評価すれば良いのか?ということです。
私の考えとしては、基本は「業績ですべき」です。当然のことながら業績を上げるためにやっているのだからです。但し短期的ではなくて中長期的な業績で評価すべきです。そもそも業績というもの自体が様々な要素の複合的な結果であるということと、「人材育成」は長い視点で評価すべき性質のものであるからです。比較対象は他のチームです、少し長めの業績の推移で比較することで、基本的には業績は右肩あがりであるとか、業績が年々上がって一度No.1チームになればそのポジションは揺るがないとか、全社的に厳しい年度においても業績の落ち込みが最小限である、というようなポイントで評価が可能です。
その他定量的には、離職率の推移や社員満足度評価のエンゲージメント項目(社員満足度評価自体は福利厚生で簡単に左右される性質があるのでエンゲージメントの項目を必ず入れないと意味がほとんどありません)も良いと思います。また定性的には、社内外から「楽しそうに見える」ということも重要な評価項目になります。

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