マネージャーは日々とても忙しく、仕事の範囲は多岐に渡るために問題は常に起きますし悩みやは尽きないものです。
今回はマネージャーの「課題」について考えてみたいと思います。
マネージャーの問題にはどんなことがあるのか?
少し整理してみます。
大きく分けると、
・パフォーマンスに関すること
・顧客に関すること
・社内に関すること
・チーム内のこと
仮にひとつの項目で大小合わせて5つの問題あるとすれば、常に20の問題と向き合いながら仕事をしていくことになります。その状態自体が「悩み」ですし、酷い場合は体調を崩すことにもなりかねません。
それって本当に「課題」ですか?
私はこれまで数多くのマネージャーの方々と仕事をしてきましたが、「課題」というものが明確になっているケースが少ないように感じています。
例えば、営業系マネージャーでパフォーマンスに関するケースあった場合よく出てくる話としては、
・売上げが改善しない
・KPIが達成されていない
・改善を目的としたミーティングを行っても意見が出ない
・ミーティングで決めたことが実行されない、されたとしてもスピードが遅い
といったことがよくあります。
しかし、これらは本当に「課題」でしょうか?
「売上げが改善しない」というのは率直に言って結果ですし「KPIが達成されない」というのも同じですね、「ミーティングで意見が出ない」のは現象ですし「実行」に問題があるのもやはり現象ということで同じです。
先ず基本的に、結果や現象には「そのようになる」根本的な問題があり、その問題を改善できていないことが「課題」という捉え方をしなければなりません。
ひとつひとつの現象や結果に対して我々は場当たり的な対応に奔走させられてしまいがちですが、そういったパッチワークのようなことを日々繰り返しても、一時的に状況は良くなることはあったとしてもまた直ぐ悪くなり、持続的な改善をもたらすことは無いのです。何故ならばそもそも対処療法の繰り返しは、最後はメンバーはもちろんマネージャーも疲弊しきってしまうからです。明らかに労多くして実りが少ない、つまりコスパが良くないことなのです。
本当の「課題」とは?
では、このケースでの「課題」とは一体なんでしょう?
これは明らかで、問題は「メンバーを良い状態に保てていない」ということと「チームの力を最大に発揮させる整備ができていない」ということであり、課題は「その状態を改善できていないマネージャーのマネージメントスキルおよびリーダーシップの欠如」となります。耳の痛い話ですがこの点に先ずは辿りつかないと何も始まりません。
メンバーのエンゲージメントが高くチームが機能していれば「ミーティングで意見は出る」はずですし「決めたことは即実行されます」、KPIを達成することもできますし、最終的には売上げの改善につながります。エンゲージメントの向上無くして売り上げの改善がなされたならば、マネージャーがいなくてもそうなったはずです。例えば画期的な新製品が発売された等が考えられます。そのことによってパフォーマンスが向上されたとしてもそれはオーガニックな成長というもので、マネージャーの課題が解消されていればもっと高いパフォーマンスとなったことでしょう。
もちろん売上げが危機的状況で短期間に成果を出さなくてはならないような緊急事態もあります。その際は一旦全勢力を使って対応することは絶対に必要です。課題の克服には往々にして時間がかかるものですし、今生き延びなくては将来は無いからです。しかし、そういった力技は短期的にしか持ちませんのでやはり王道としては「課題」にしっかり取り組んでできる限り緊急事態を発生させないようにしておかなくてはなりません。
エクセレントマネージャーワークショップやビジネスメンターでは、マネージャーの課題に対して「どのように克服したらいいのか?」「そのためには身につけるべき基本的な能力とは?」そして「その能力はどのようにしたら身につけられるのか?」ということについて其々のマネージャーに合わせた練習方法を一緒に開発するサポートをしております。
是非お気軽にお問い合わせいただければと思います。
エクセレントマネジメントワークス 原田 貴之