言い訳の多いメンバー
よく聞くマネージャーの愚痴のひとつです。決定的な問題ではないものの古くからある話ということはそれだけ解決の難しい事とも言えます。
今回はこの問題を考えてみたいと思います。
人は何故言い訳をするのか?
仕事のという設定で考えますと、何か問題が起きたという場面になります。
メンバーの心情としては「そうなった事情をわかって欲しいから詳しく説明したい!」という感じではないでしょうか。原因が100%自分だけにはないことを訴えたい訳ですね。自分への攻撃を和らげたい、応分の非難に留めたいという思いもあるはずです。
これに対してマネージャーの気持ちとしては、
誰でもミスや失敗はあることはわかっている。その上で何がよくなかったのかをしっかり分析し悪かった点を真摯に受け入れて次に活かして欲しい。つまり反省し学んで欲しいという気持ちがあります。
しかし、言い訳から来られると自分の原因割合を矮小化しようとしている行為に見て取れ、当然反省の度合いも低く見積もっているように繋がり、結果として反省も学びも少なくなっているとの思いが強くなり、それを是正したいがために怒りで表現することになる。という感じではないでしょうか。
メンバーの心情とマネージャーの考えの間にはかなり相容れないものがあります。昔から解決されていないのも無理はありませんね。
私ならこのようにします
ではこういったメンバーにどうアプローチすべきか?ですが、私ならロジックをしっかり使います。
先ず、コミュニケーションの場面ですが平穏な時におこないます。できるだけ複数でリラックスした時が良いです。
話し方の基本は、複数の場合は一般論もしくは自分論として話す、ひとりであれば「成長を早めるための訓練方法」のひとつとして紹介する形が良いです。秘策を君だけに教えよう的な感じでも良いと思います。
次に、どのようなロジックで話をするか?なります。
基本的には「事情を聞かれる前の言い訳に良いことはひとつもない」という話から入り、逆説的ですが「言い訳をしないとどんないいことがあるのか?」で話を展開する形です。
言い訳しないことで起きる良い作用
1)反省の量が多くなる→学びが多くなる→今後活かされることが多い→当然成果が出やすくなる。
2)達成への執念が鈍らない。逆に言い訳によって自分の原因割合が低くすると起きたことを軽く認識することになり達成への執念は鈍るということです。
3)言い訳をせず経験を活かし成果を出す確率が高くなるので、結果として希少性が高まる。希少性と所得は相乗的に関係しますし、何より成長スピードか格段に早くなります。
つまり良いことしかありません。
というようなロジックです。
このコミュニケーションには反論処理が必要になります。
反論1)主張すべきは主張しないと周りにわかってもらえないのでは?
→そんなことはありません。言い訳をすればするほど周りはその主張を割り引いて認識します。逆に言い訳をしなければ周りが他にも当然原因がありそのメンバーだけの問題ではないと考えるようになります。つまりどっちでもプラスマイナスゼロということです。
反論2)なんでも全部自分のせいにしていると精神的に持たなくなるのでは?
→自分の中でしっかりロジックを固めて思い込んでおけば大丈夫です。誰かのせいや環境のせいにする人は成果も出にくいし成長も遅く結果的に希少性は一向に上がらない。逆に自分は成長スピードを上げる目的でそうしている。希少性も高まるだろう。目的を持ってやっている、他の人とは違う!というようにロジックをしっかり固めて思い込むことで精神を保つことができます。
反論3)言い訳を言っているのではなく当然の主張だ!
→裁判ならともかく周りは主張とは捉えない。メタ認知を働かせればすぐに理解できる。
実体験で語らないと響かない
とは言うものの私の考えは、先ずマネージャー自身が実践してあるレベルまでは身につけるべきだと思います。単に実体験でなければ響かないからです。
マネージャーも当然当事者(言い訳側)にもなり得ますのでいくらでも実践訓練できます。
超えてはならない一線を持つこと
あと、この議論には例外も勿論あります。
先ず100%誤解の場合です。これは落ち着いて説明して良いと思います。ドラマではないですから周りの人に誤解のシーンは示されませんので。
もうひとつは、自分がとても大切にしている一線を超えてきた場合です。人格の否定や大切な人を対象にされた場合などがあります。その時は遠慮は要りません。思い切り戦うべきです。
マネージャーのみなさん、頑張ってください!
エクセレントマネジメントワークス 原田 貴之