みんな不幸なよくあるケース
マネージャーはいつも怒っている、チーム内はピリピリ、いつしかメンバーは叱られないことが目的になっている。
悪いことにマネージャーは必死にやっているからでしょうか「自分は仕事している」「自分のチームには規律があるにも関わらず思うようにいかないのはなぜだ」「パフォーマンスが良くないのはメンバーのやる気の問題」などという思いがさらに増幅し。。。
ありますねーこういうチーム。
マネージャーはもちろんメンバーも必死にやっているので皆んなが苦しんでいる状況です。
このようなマネジメントの仕方でパフォーマンスも短期的には良くなることもありますがまず持続的な成長はしないでしょう。する理由がひとつも無いからです。
私もこういったチームに所属していた時期もありましたし、自分もマネージャーとしてメンバーに同じように振る舞っていたこともありました。恥ずかしながら「蹴れば人は動く」と思っていた時期があったのです。最悪ですよね。
こんなマネージャーは要らない!
自戒の念も込めてはっきりさせておきたいことは、かつての私のようなマネジメントスタイルを取るマネジャーは居ない方がましです。
仮にパフォーマンスが上がったように見えたとしても、何もしなければもっと上がっていたものをわざわざ下げて、結果少し上がったように見えているに過ぎません。
マネージャーはメンバーを良い状態にしつつメンバー同士の相乗効果を引き出しチームとして最も高いパフォーマンスを発揮できる土壌作りをし続けることが唯一の仕事です。
にも関わらずマネージャーという高いコストを掛けてパフォーマンスをわざわざ下げるなんて会社にとってはありえない事態ですよね。
怒りを力に変えて・・・ということもありますがそれは自分に対してであってメンバーに対してではありません。ついでに言うと「怒り」を源泉にした頑張りは燃費がとても悪いので長続きしないので当てにしてはなりません。
問題はメンバーの思考停止
なぜメンバーが委縮するとパフォーマンスが落ちるのか?
比較的想像しやすいことですが、最大の問題は「メンバーが思考停止に陥りやすい」ことです。
本来であれば社内外問わず「対象となる顧客」に対して「良いこと、価値のあること」を常に考えて行動を起こし、失敗を繰り返しながらも「学び」、修正を加え続けることで「結果として」パフォーマンスが上がってくるものです。
そうであるからこそ、メンバーは喜びを感じることができる、成長している実感を得られる、エンゲージメントは高く維持されるのです。
思考が止まると顧客のことを考えられなくなります。どう考えても無理です。顧客がワクワクすることを思いつくにはメンバー自身が楽しくなければいい発想どころか通り一遍の発想、悪ければマネージャーの機嫌が何よりも優先されることにもなりかねません。
怒りには閾値がある
ここで本題の「怒り」について考えてみます。
誰しも人である以上「怒り」を覚えることは避けて通れるものではありません。
仕事においてもプライベートにおいても怒りの矛先も様々です。メンバーであったり、家族であったり、友達であったり、全然知らない人であったり。自分であったり。
不思議なことに怒りには「閾値」があります。同じことが起きても相手によって怒りの発火点の高さが異なるということです。
例えば、メンバーであれば怒りがこみあげてくることでも相手が上司や自分にとって良くない影響を及ぼすことができる存在であれば全然こみ上げてこない経験は誰しもあるかと思います。
つまり怒りは、起きたことの大きさ×相手によって左右されるといえます。これっておかしくないですか?
自責マインドの重要性!
なぜ相手より優位な立場である場合は怒りがコントロールできないのか?
いろいろな考え方はあると思いますが、私は「自責のマインドが身につけられていない」からの1点だと思っています。
自責のマインドとは、「今自分に降りかかっている問題は全てこれまでの自分の判断や言動が惹起させている」という考え方です。
この考え方はマネージャーとして成功するためには絶対に身につけなくてならない思考です。
常に自分の問題としっかり受け止めることができないと何も始まりません。
誰のせいにもせず、冷静に自分の責任と受け止め、対策を練り、粛々と実行していくマネージャーの姿はメンバーから信頼され始めますしいづれは尊敬されることでしょう。
尊敬と信頼がベースにできると様々なマネジメントスキルを使うことで、メンバーを良い状態に保ち、チームを良い状態に導くことが可能になります。
身につけ方
怒りを覚えたとき、問題が発生したときちょっとだけ冷静に考えてみてください。「私はこのことを私の問題として捉えているか?」ごとに問うことを繰り返しおこなうことで自責のマインドを自然に身に付きます。
もし、頭ではわかるけどそういった場面ではいつも忘れてしまい、後でそうだったと思うことを繰り返している人は、まず最初に「これは私の問題だ」と声に出して周りに聞かせれば後には引けなくなりますからお薦めの方法です。
エクセレントマネジメントワークス 原田貴之